新検見川で「小空間オペラTRIADE in はなみがわ風の丘HALL」を主催する大澤さんを紹介します。

このコーナーでは、「千葉のがんばるマン」と題しまして、千葉で様々な活動をする人や会社/団体・イベントについて取り上げご紹介していきたいと思います。第3回は、自宅をオペラ会場にし、2000年からオペラ公演を主催している大澤さんを紹介いたします。

風の丘HALL外観
風の丘HALL外観

管理人(以下、管) 立派な豪邸ですね!!オペラを主催していると伺ったので、相当なお金持ちをイメージして伺ったんですが、やはりお金持ちなんですね?(←最初からぶしつけだなぁ)

大澤さん(以下、大)いえいえ、(苦笑)全くそんなことはないです。

やはりオペラを主催しているというと、「オペラ好きのお金持ちの趣味」というように思われてしまうのですが、全然そうではないです。

駅から歩ける場所の土地を探し、少ない予算に合わせて、土地を切り売りして貰いました。

私の本業が建築士なので、公演を第一に考え全て私が設計して建てましたが土地代やら工事費やら借金がたくさん残ってます(涙)。

小空間オペラTRIADE誕生のきっかけ・大澤さんの人生観

管 公演を始めたのが2000年とのことで11年目を迎えるわけですが、そもそもなぜこのようなオペラ公演を開催しようと思ったわけですか?

大 はい、元々は私はオペラという言うものに偏見を持ってて食わず嫌いだったんですね。

管 そ、そうなんですか??

大 ええ(笑)。
たまにテレビで映るオペラのイメージって、太めの人が突っ立って歌って、声の出し方も独特で・・・なにこれ?
という印象だったんですよ(笑)

管 えーーなんか意外ですね。

大 それで30歳過ぎた頃に、友達に「オペラ見に行こう!」と誘われて、付き合いで行ったら、その時に衝撃を受け感動したという感じです。

帰って直ぐにその公演のDVDを買い、次第に傾倒していたったというわけなんですね。

管 食わず嫌いが、いざ食べると美味しくて虜になるって事は、良くありますよね。それにしても主催し公演を行うなると大仰に思いますが、その経緯を教えていただけますか?

大 ちょっと長くなりますが、お話しますね。

管 はい、お願いします。

大 私は以前から「地域社会の結びつきの弱さ」を危惧していたんですね。
というのも最近は、以前では考えられなかったような犯罪が当たり前のように起きている時代じゃないですか?

私が思うに、その背景の一つとして「地域社会の人と人のつながりが弱くなった」ということがあると思うんですね。そこで、なんらかの形で地域の人達の交流や文化的な活動の場を作り、地域社会の人のつながりを作ることができないかと考えていたんです。

管 はい。

大  つまり、地域社会のために市民である我々が、たとえ小さな事でも私たち自らの手でできることを行うことが大事だと思うわけです。
それが私の場合は、趣味・興味と重なってたこともあり「オペラ」だったんですね。
なので、オペラは市民の市民による文化交流の「手段」だったんです。
当時、既に結婚してたんですが、残念ながら子供を授からなかったんですね、時間を掛けて治療しても結果は変わらずということで・・・子供は諦めたんです。
子供一人を社会に出す資金をオペラ公演を通して市民の文化交流の場を提供する事につぎ込む事ができたわけです。

小空間オペラTRIADE1Fの掲示物
ウインドウ越しにオペラについてのQ&Aや冊子が♪

大 建設中に既に1年間の公演プログラム5演目10公演が決定、チケットの販売をはじめていました。教育委員会などの後援をもらい、県文化会館など施設にチラシを配置。それを記者さんが手に取り興味を持ってくださり、取材の話を頂き、「お正月特集」で、記事にしてくださいました。ものすごい反響で、正月の間電話がなりっぱなしでした。本当にありがたく、完売しさらに追加公演となった。・・・という活動の幕開けでした。

管 それは幸先いいですね!

大 そうなんですよー。
一般市民が何か文化活動を行おうとする時、地域で活動する市民を応援してくれる媒体として、とてもとてもありがたかったですね。
他にもテレビやタウン紙さんの取材もありその度に反響があり、マスコミの方には足向けて寝れませんね。
そういったマスコミの方のお陰で、1年間の公演は早々に完売し、追加公演も組みそれも直ぐに完売というこれ以上のないスタート切れたわけです。

管 おお!素晴らしいですね!そ、それならば、かなり儲かったのではないですか??(←下賎な男)

大 いえいえ(笑)。チケット代が全てソリスト(オペラの役者さん)、演出家さんのギャランティや、舞台セットや美術、衣装、メイクなどの費用に充てているので、私の方には全く利益になりません。

「風の丘」では一流ソリストのみで公演を行ってます。ソリストが私の考えに賛同してくれて、破格のギャラで出演してくれています。なのでお金はできるだけソリストに還元したいので、私の利益は元より、宣伝活動費にもできないわけなんですね。
なのでチケットが完売してトントンという感じなんですね。

管 あらら、そうなんですね。(←なぜかがっかり)

大 そんな最高のスタートを切り2年、3年と公演してきたんですが、そんな頃にですね・・・・。

管 終えた頃に・・・どうしたんですか??

大 なんと子供を授かったんですよ。
あれだけ手を尽くしても治療してもできなかったので本当に奇跡というか不思議でしたね。子供を育てるお金は全く考えずに借金を背負って「オペラ」をスタートしたのでもう大変でした。
というか今でも金銭的に大変ですね・・・。

管 あら・・・でも子宝に恵まれたわけですし大変ありがたいことですよね。

大 そうです!本当にありがたかった!夢のようです。しかし、子供ができた当時、オペラ公演もそうですが、同時に設計の仕事も行なっていて、子供ができたからといって途中で止めることができないのですね。ですから、仕方なく、オペラのほうを10ヶ月、休止したのです。その後、出産、建築の仕事もひと段落で、オペラの再開でしたが、これが大変でした。

オペラ会場
実際公演が行われる会場です。

管 大変・・・というと??

大 お客さんが戻ってこないんですね。

管 あら・・・・。

大 そうなんですよーー。
いまだにそれは引きずってますねーー。やはり今は娯楽や様々な情報が世の中に溢れている訳で、そんな中でうちの「風の丘」を選らんでお客さんが来てくれるようにするには本当大変と改めて痛感しましたね。

管 ということは・・・最近はお客さんの入りが悪い・・・とかということですか?

大 いえ、そういうことはないです。
おかげさまでチケットは大方売れますが、売れ行きが遅くなりましたね。当初は発売即完売ということでしたが、最近は公演ギリギリで売れるということもあり、チケットの売り上げでソリストに払うギャラをまかなっているので、直前まで売れ残っているとヒヤヒヤしますね。当初は公演発表し即完売ということが続いたので、地域の方に「風の丘のチケットは取れない」という風に思われているようです。今はそういうことはないので、今まで見たかったけど見れなかった方に見ていただきたいと思ってますね。と同時に20代、30代の若い方や学生さんにももっと来ていただきたいです。

管 ほうほう。

大 というのは「風の丘」のお客の層ですが、ほとんどがお金と時間に余裕がある層で要は50代〜70代の方が多いんですね、10年経った今もこの傾向は変わらないんですね。こういった地域の高年の方・お年寄りの方が毎回楽しみにしてくれる娯楽を提供しているという自負はあり、こういったリピータの方が毎回いらしてくれるのは大変ありがたいですが、それにしても若い層が少ないので、そういう方にも是非いらして欲しいと思います。私自身が30歳過ぎで初めてオペラを見て衝撃を受け、人生変わったので、今まで食わず嫌いだった若い方が、「風の丘」に来てその人の人生に何らかの影響を与えられるような場にしたいという目標もあります。更には子供にも見ていただき、「風の丘」がきっかけでソリストになった。という人まで出てくれればいいなぁと思ってます。
なので、今後はファミリー層をターゲットとした「ファミリーオペラ」も企画して開催したいと思ってます。

管 何十年後かに、「風の丘でオペラに感銘を受けてこの世界に入りました」っていうソリストが出てくればこれほど主催者冥利に尽きることはありませんよね。

大 はい、「風の丘」が、そうなっていくよう更に頑張らなきゃ・・と思いますね。

オペラについて

小空間オペラTRIADE会場
実際公演の様子。字幕が出るので安心です!

管 あの・・・ところで、サイトの公演案内を拝見したんですが、「字幕付き原語上演」と出てたんですが・・・。に、日本語じゃないんですか??(次回の公演のチケットを取ったのでドキドキ・・・)

大 オペラはドイツオペラはフランスオペラとかいろいろありますが、元々はイタリアが発祥ですので、基本はイタリア語になります。

管 (ガーン)そ、そうなんですね。

大 場合によってはその国の言語で行う場合もありますが、大半はイタリア語なんですね。オペラは芝居なので、字幕を追って読むよりは自国語で公演したほうが、状況など物語の進行が伝わりやすいというので、その国の言葉に訳され、て行う場合も多々あります。なんですけど。。。。

管 なんですけど・・・・??

大 オペラはもう一つ「音楽」としての側面もあるんですね。私が始めて聞いたのはモーツァルトの「フィガロの結婚」を見たんですけど、そこで感動して直ぐにCDを買ったんですね。

管 はい。

大 そのときに付属の本があり原語と日本語訳がありました。

それで「なんでこんなに心地よく耳に響くんだろうなぁー」と思って原語をみたら、「韻」を踏んでいるんですね。

管 「韻」ですか?

大 そう、全部終わりの音が同じになっていて、それがモーツァルトの軽やかなメロディと調和して、すーっと心地よく耳に入ってくるんですね。

なのでなぜ「風の丘ホール」が原語で行っているかという、作詞者の意図を汲んだりとか元々の音楽をそのまま楽しもうということで、原語で行っているわけです。

管 なるほどなるほど、映画もそうですよね。吹き替えの方が解りやすいですが、映画の全体の雰囲気を楽しむということでは字幕派の人が多いのと同じでしょうかね。

オペラの役者さん=ソリストについて

公演の様子。ソリストの迫力ある演技と歌声!
公演の様子。ソリストの迫力ある演技と歌声!

管 オペラの役者さんについて教えてください。

大 オペラでは演者をソリストと言うのですが、私から見るとオペラのソリスト=アスリートですね。

タオルを首に掛けて汗かいてトレーニングしているというな・・・感じです。

管 大澤さんの第一印象の「変な声の太った人・・・」とは大分異なりますね(笑)

大 (笑)そうなんですよー。

1公演するのに相当体力使いますからね。他の芝居などのように一日2公演とかはオペラの場合はできません。

で、オペラの場合はパートにも依りますけど、30代はまだまだ若手です。

管 あ、そうなんですか??では彼らは20代の頃はどうしてるんですか?

大 20代の頃は大学院で勉強したり、研修所に行ってもっとに勉強したり、更には本場のイタリアに渡って、更に勉強勉強という感じです。

管 下積みが長いんですね・・・。

大 オペラというのは、マイクが無いんですよ。

管 えーー!!それはきついですね。(←ボイトレ経験者)

大 しかも大劇場で、オーケストラが演奏している中、会場全体に生声を通さなければならないんですね。

なので、この声を通すという技術を習得するのがとにかく大変なんですね。
そのために本場イタリアに行って有名な先生に師事してなんとか習得しようとするわけですね。まずこれに時間を費やすわけです。

と同時にオペラというのは芝居です。芝居なので単に良い声しているとか歌が上手いというだけではだめで、音一つ一つに乗せて感情の表現する方法を学んだり、更に舞台上では動きもあるので、そういう立ち振る舞い、一挙手一投足を使って、場面場面の感情を聴衆に伝えるという技術も必要です。芝居というのは特に場数を踏まなければならないので、20代の頃はとにかく様々な技術を習得する時間に当てるわけですね。

管 学ぶ事が非常にたくさんあるわけですね。

大 ソリストによる歌と芝居と、そしてオーケストラがあり、更にはバレエのシーンがあります。(「風の丘」ではスペース上、オケとバレエはなく主要キャスト=ソリストのみで公演を行ってます)。

後は舞台の美術もあったりなどで、オペラが総合芸術と言われるのはこういう側面もあるからなんでしょうね。

そのオペラの中心である「ソリスト」になるためには並大抵ならぬ努力が必要なんですね。

管 「風の丘」で出演しているソリストについて教えてください。

大 これは「風の丘」が誇れる事なんですが、すべて一流のソリストのみで毎回行ってます。これは本当に自慢ですね。

管 都内に行かずとも千葉市内で、一流のオペラが見られるのは市民にとっても誇りですよね。恥ずかしながら最近まで知らなかったです。次回の公演はとっても楽しみにしてます。

大 はい、是非楽しみにしてて下さい!!

管 ただ一流のソリストとなるとギャラも高額で大変なのでは??(←また金の話・・・)

大 先ほど話したとおり、皆さん私の理念に賛同してくれ、破格のギャラで出演していただいてます。

特に、キッズファミリー向けの企画では、交通費に毛がはえた程度(??!)で、それでも、自腹を切るので本当にしんどいです・・・。この点は私としてもいつも心苦しくて、できれば助成金などスポンサー起業が付いて少しでも多くギャラをお支払いできれば・・と思っているのですが、今このご時世ですしね・・・それも中々難しいです。 。

小空間オペラTRIADE1Fのロビー
1Fのロビーです。

管 なるほどそうでしたね。失礼しました。

大 「風の丘」ではスペースなどの諸事情でオーケストラやバレエはもちろん、「村人A」などのチョイ役も置かず、主要なキャストのみで行ってます。なので、その一流のソリスト&ピアニストで行っているんですね。
(※管理人が調べたところ今年の「風の丘」の公演を全て担当するピアニストの河原忠之さんは、あの「ドラゴンクエスト7」のピアノ版サントラを担当されてますね。)
大きい劇場だと多くのソリストや様々な役の人という感じで大勢で行うためどうしても「人の格」がバラバラになってしまうんですね。

しかし、「風の丘」では厳選した一流のソリストのみなので、ソリスト自身も「一流のソリストのみでオペラができる!」って楽しみにしてもらってるようなんですよ。

更に嬉しい事に、ソリストの間では「風の丘から声が掛かれば一流だ!」なんて事も言われているんですよ。本当に主催者として嬉しい限りです。

管 出演者にもそういう風に言われるなんて嬉しいですねー。ソリストの方たちは「風の丘」の公演についてどんな印象があるんですか?

大 えーっと、そうですね。

まず「風の丘」の特徴が普通の大きな劇場と違っているところが・・
 ・距離感が全く違う事(最前からは1m先が舞台)
 ・常に気が抜けない(端役が居ないので観客の目は常にソリスト)
 ・プロンプターが居ない。(歌詞のカンペがない)

など、というところが「風の丘」の公演特徴で、ソリストたちも毎回「勉強になる」と言ってくれますね。

管 なるほど、それも冥利ですよね!ところでオペラの公演には衣装部屋とか控え室が必要と思うんですが、1F2Fと拝見したところ無いようですが・・・・

大 3Fが普段生活しているスペースなんですが、オペラの開催期間はここがソリストの控え室・メイク室・衣装室という感じになるんですね。
私たち夫婦の寝室が衣装室になったりという事で、プライバシーなんて一切無いんですね(笑)。

管 そうなんですかー。

大 公演が終わった後は、その控え室など開放して私が料理作って、ビール・ワイン飲み放題状態でソリストさんに楽しんでもらってます。

管 宴の打ち上げですか!・・・それは凄い楽しそうですねぇー(←酒飲み)

大 申し訳ないことに払うギャランティは安いのでその代わりと言ってはなんですが、終わったら好きなだけ飲んでもらおうという感じです。

ソリストたちも毎回これが楽しみで、みんな終電ギリギリまで飲んで喋ってって感じで楽しんでもらってます。私自身もむちゃくちゃ楽しいです。

管 うんうん♪(←その図を想像してたらこっちも楽しくなってきた)

会場後方
『2007年小空間オペラTRIADEvol.23ウェルテル公演の模様』子供たちも出演しています。

大 中にはこの打ち上げが目当てじゃないかという飲兵衛なソリストもいたり(笑)という感じでそれほど「風の丘」の打ち上げは本当に盛りあがり。

これも大変ありがたいことだと思ってます。打ち上げの、お酒飲んでいる時が一番充足感があるかも知れませんね。

管 さて、話は尽きないですが、最後に大澤さん、千葉市民に伝えたい事や、今後の活動予定を教えてください!

大  都内の公演に比べると、この出演者では破格に安くご覧いただけます。特に千葉市に住む方、地元ですから、是非、本物の質が体験できるオペラを体で感じて頂きたいです。スポーツは、体と精神をつくりますが、芸術は、体と心をつくります。人類の歴史から知恵や経験を自分に生かすことが出来るものです。みんなに平等に与えられ、代えがたい「時間」を提供してくれるものだと感じています。

そして主催者としては、もっともっとオペラの魅力を市民に伝え、特に若い層にも来て貰ったり、或いはファミリーで楽しめる「キッズオペラ」も企画して、使命だと思っている「地域社会への人と人の交流」を促進し大好きな千葉に尽くして行ければと思ってますので、よろしくお願いいたします。

管 お忙しいところありがとうございました。

他にも「歌舞伎、市民ボランティア、お祭り、芸術の使い方」などなど書ききれないほど熱く語っていただきました。直近の公演は、2010年3月22、27、28となります。ご主人や奥さん、お子さん、または友人、恋人やご両親など、みんなお誘いあわせの上、参加してみてはいかがでしょうか?
また、「市民ボランティア」も随時募集中との事です。オペラを観る方ではなく裏方で参加するのも中々できない経験だと思います!詳細・お問い合わせは「小空間オペラTRIADE」までどうぞ。

小空間オペラTRIADEホームページ 「小空間オペラTRIADE in はなみがわ風の丘HALL」
【市民から文化力】文化庁公認・非営利文化市民団体
小空間オペラTRIADE

   

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なずな
なずな

 やっぱりステキな方だったんですね。

風の丘ホールさん、とても気になっていたのですが、
この記事を見てますますステキっだなって思いました。
私がオペラみてみたいって思ったのも
「フィガロの結婚」だったので(生で見たことないですが・・・)
勝手に感動しちゃってます。
なかなか観に行けなかったのですが、次回は行きます。
これからも続けてください。楽しみにしてます。

投稿日時: 2010-2-2 23:39

 
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